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変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注射と局所麻酔薬混合ジクロフェナク結合ヒアルロン酸注射の効果比較
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JPY
Abstract
変形性膝関節症(膝OA)に対するジクロフェナクをヒアルロン酸ナトリウム(HA)に化学的結合したジクロフェナクエタルHA(DF 結合HA)の使用には厚生労働省からアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用の注意が喚起されている1). アレルギー反応は体内に抗体が形成されて,はじめて発生する.そのため,抗原との二回目以降の接触で起こる.たとえば,スズメバチに刺された場合,一度目は,大事にいたらなかったものが,二度目には,アナフィラキシーショックを起こすことがある2).筆者ら3)は1 回目のみDF 結合HA 注射を行い,2 回目は従来のHA 注射を行った場合の副作用発生頻度と治療効果を評価した.その結果,アナフィラキシーショックを含む重篤な副作用を起こした症例はなかった.また寛解点数は対照群に比べてDF 結合HA を使用した群で有意に改善した. DF 結合HA は従来のHA に比しpH が低いことに加えて,ピストンのすべりが鈍く注入に強い力を要するため注入時間が延長されることなどから注射時の患者の疼痛ストレスが増強する.局所麻酔薬には界面活性作用があるため,疼痛の緩和のみならず,撹拌することによってDF 結合HA の注入時間を短縮できる.われわれの調査4)ではDF 結合HA 注射を単独で2 回受けた31 例中4例(12.9%)で注射時疼痛のため血圧と意識レベルが低下したが,DF 結合HA に局所麻酔(局麻)薬を混合攪拌し注射を受けた32 例では上記症状を呈した症例はなかった. 本研究では膝OA 患者に局麻薬を混合撹拌したDF 結合HA を単回注射し,それ以降は従来のHA 注射を行い,1 日平均歩数の増加を指導した場合の治療効果と副作用発生頻度を評価し,HA 単独群と比較した.
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/content/article/0030-5901/74040/320