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わが国におけるWilson病研究の歴史と国際的貢献
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JPY
Abstract
Wilson病は進行性の脳疾患として19世紀からヨーロッパで記述され,剖検で発見される肝硬変と角膜周囲の色素沈着が特徴とされた.久しく本態不明であったが,1940年代から欧米で尿,肝,脳などの銅の高濃度,1950年代にアメリカで銅蛋白である血清セルロプラスミンの先天的低下が発見され,神経症状はなくとも診断可能となった.日本では1960年ごろから,とくに子どもの肝疾患の死亡例にWilson病が高率で,無症状でも幼児期から肝の病変が進行していることを確認し,早期診断と早期治療,とくに銅の蓄積を制限し発病を予防する努力が世界にさきがけて普及した.1950年代まで,Wilson病は発病数年で大多数が死亡する病気であった.日本におけるその後50年間の研究は,適切な時期の診断と適切な治療を継続すれば,50年以上,おそらくは生涯の健康を保証できることを示している.しかし,診断の遅れはいまなお死か重い後遺症の危険を意味し,医療の責任は重い.
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