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血管機能を制御する内皮細胞と壁細胞の相互作用──Tie2受容体による血管系の構築
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JPY
Abstract
血管はそのもっとも内腔を1層に覆う血管内皮細胞に,その外側から壁細胞と総称される血管平滑筋細胞やペリサイトが裏打ちして安定した構造となる.内皮細胞と壁細胞の接着や解離の現象が血管の成熟化や既存の血管からの新規血管分枝の発芽機構に重要な役割を果たす.血管は成熟化することにより血管透過性を制御し,また内皮細胞は種々の血管内環境因子の変化に応じて種々の接着分子の発現を変化させ,白血球の接着や組織内への速やかな炎症細胞の移動を許容して炎症の沈静化をはかる.このようなイベントは,血管内皮細胞に発現して機能するTie2受容体に対し壁細胞から分泌されるその結合因子であるアンジオポエチン(Ang)−1や血管内皮細胞から分泌されるAng−2が重要な役割を果たす.Ang−1はTie2を活性化して内皮細胞と壁細胞の接着により血管構造の安定化と透過性の抑制に機能する.また,Ang−2は壁細胞と内皮細胞の接着を抑制して新規血管分枝の発芽を誘導するとともに,内皮細胞上の白血球接着分子の発現を制御して炎症細胞の浸潤を誘導する.このTie2/Angの機能を理解することにより,血管新生や炎症の分子機序が徐々に明らかになってきた.
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