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JPY
Abstract
1型糖尿病は,膵β細胞の破壊によるインスリン欠乏により発症する糖尿病である.その成因がいまだ明らかではない“特発性”と,自己免疫的機序により発症する“自己免疫性”とに分類されるが,大部分は自己免疫性と考えられている.その発症には遺伝因子と環境因子が関与しており,しかも遺伝因子が複数の遺伝子によって構成されている多因子疾患であり,疾患に関与する遺伝子は“疾患感受性遺伝子”とよばれている.特定の遺伝子変異が発症の原因となる単一遺伝子疾患と比べると,多因子疾患の個々の疾患感受性遺伝子を同定するには多くの困難が伴うが,最近のゲノム情報の整備や遺伝子解析法のめざましい進歩により1型糖尿病疾患感受性遺伝子の解明は急速に進んでいる.1型糖尿病疾患感受性遺伝子の同定をめざしたゲノムワイドのアソシエーションスタディ(GWAS)の報告も含めたこれまでの1型糖尿病疾患感受性遺伝子に関する報告からは,1型糖尿病にもっとも強く関与している遺伝子座がHLA(human leukocyte antigen)であることが示されており,HLAにより糖尿病発症の遺伝因子の30~50%が説明できると考えられている.一方,非HLA(non-HLA)領域にも多くの疾患感受性遺伝子が存在する可能性が示されているが,その大半の効果は弱いものと考えられている(図1).本稿では1型糖尿病関連遺伝子の現状を,HLA領域の遺伝子とHLA以外(non-HLA)の遺伝子とに分けて概説する.
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