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骨組織・骨髄内の2光子励起ライブイメージング―その方法論と免疫学・生命科学研究への応用
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JPY
Abstract
硬い石灰質に囲まれた骨組織の内部は従来,生きたままでの観察がきわめて困難であると考えられていた.実際にこれまで骨や骨髄の研究では,固定して摘出した骨をカルシウムキレート剤に1週間ほど漬け込んで脱灰して薄切したり,未脱灰の骨組織を硬質の剃刀で切片にしたりして観察していた.この従来法でも骨内の細胞・組織の“形態”や“分子発現”(免疫染色による)を解析することはできたが,決定的な情報が欠落していた.それは細胞の“動き”である.細胞の“動き”を観察するためには,生きた細胞を生きた組織のなかで観察する必要がある.さらに,骨髄腔のように血管床を介した豊富な循環血流を保ったままで,そこで流入・流出する細胞の動きをとらえることが重要な組織では,“摘出して生かした骨組織”ではなく,“生きた個体のなかの骨組織”を観察する必要がある.著者は最近,2光子励起顕微鏡を駆使して,マウスを生かしたままで骨組織内を観察するイメージング法を立ち上げた.この方法を用いることによって,骨組織のリモデリングにかかわる破骨細胞や骨芽細胞,骨髄内で分化・成熟を遂げる単球・顆粒球・リンパ球,その他の間葉系細胞や血液幹細胞などの生きた動きをリアルタイムで観察することが可能となった.本稿では,これを用いて明らかにした破骨細胞動態に関する著者の最近の研究成果の紹介に加え,この方法論の実際や,その免疫学・生命科学研究における今後の応用と発展性について概説する.
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