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JPY
Abstract
肝は生体内最大の臓器で,“体の中の化学工場”とよばれることからもその機能(代謝,排出,解毒,体液の恒常性の維持など)は非常に多岐にわたっている.感染などによって誘導される局所のサイトカイン産生は,それらサイトカインが肝に作用することで多くの“急性期蛋白”の産生を引き起こす.この急性期反応は,全身に危険を知らせて免疫反応,なかでも自然免疫を強化すると考えられてきた.つまり,感染時の肝の役割は全身に病原体に備えるように警告を発するとともに自然免疫系の細胞が働きやすい環境を提供することと考察されてきた.しかし今回,外来抗原の侵入時に活性化される TLR(Toll-like receptor)依存性に誘導される 1型インターフェロン(IFN-Ⅰ)が肝に直接作用することで,T 細胞の恒常性に大きな影響を及ぼすサイトカイン,インターロイキン-7(IL-7)を発現すること,さらに,その IL-7 が CD4+T 細胞および CD8+T 細胞の生存を誘導してこれら T 細胞の反応性を増強することが明らかになった.これらの知見は,肝の急性期反応の役割が自然免疫の強化ばかりではなく,獲得免疫系の中心的な細胞である T 細胞に直接作用してそれらの機能を増強することを示したものである.今後さらに,多くの獲得免疫系に関与する分子が肝の急性期蛋白のなかに存在することが証明されることが期待される.
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