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JPY
Abstract
生殖細胞は生体内では精子と卵にのみ分化する細胞であるが,遺伝子操作を施さなくても培養条件下で分化多能性幹細胞へと“脱分化”させることができる.たとえば,胎仔期に存在する始原生殖細胞からは,増殖因子を添加し培養するだけでわずか数日のうちに胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES 細胞)と同等の分化能をもつ幹細胞を樹立することができる.同様の多能性幹細胞は生後の精子の幹細胞からも樹立できる.マウスを用いた研究から,始原生殖細胞の脱分化はPI3K(phosphoinositide-3 kinase)/Akt シグナルにより促進され,その作用は下流の癌抑制遺伝子p53 の機能抑制を介していることが明らかになった.p53 の機能抑制は,精子の幹細胞の脱分化や,iPS 細胞(induced pluripotent stem cell)の誘導も促進することから,生殖細胞の脱分化と体細胞核の初期化には共通の分子基盤があることが明らかになりつつある.
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/content/article/0039-2359/239140/1283