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JPY
Abstract
毎年流行する季節性インフルエンザウイルスは,おもに気管・気管支・細気管支および気管支腺上皮細胞に感染し,肺胞上皮細胞には感染しないため,ウイルス性肺炎を併発することはまれである.季節性インフルエンザに併発する肺炎は,二次性の細菌性肺炎であることが多い.2009 年にパンデミックとなったA(H1N1)pdm09 ウイルス感染症の肺病理像の多くは季節性インフルエンザと類似していたが,呼吸不全で亡くなった例では硝子膜形成を伴うびまん性肺胞障害を呈し,肺胞上皮細胞や肺胞マクロファージにウイルス抗原が検出された.H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスのヒト感染例ではウイルス血症となり,呼吸器官以外の臓器にも感染すると報告されている.H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスはヒトの肺胞上皮細胞に感染するため,重篤なウイルス性肺炎をもたらす.肺病理像はびまん性肺障害を呈し,二次性細菌性肺炎を合併している例もあった.H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスや一部のA(H1N1)pdm09 ウイルスのHA 蛋白は,ヒトの肺胞上皮細胞が発現するα2,3Gal-シアル酸に結合できる構造を有していると報告されている.著者らはA(H1N1)pdm09 ウイルス感染による重症肺炎の剖検肺において,ウイルス抗原をα2,3Gal-シアル酸を発現している肺胞上皮細胞に検出した.また,同剖検肺から増幅されるインフルエンザウイルスHA 遺伝子を解析し,α2,3Gal-シアル酸に結合しやすいHA 蛋白を有するA(H1N1)pdm09 ウイルスが優位に増殖していたことを示した.
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/content/article/0039-2359/241010/37