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JPY
Abstract
孤発性のがんは典型的な多因子疾患であり,複数の環境要因と遺伝素因が複雑に影響しあい発がんに至ることから,がん罹患リスクを規定する遺伝素因の探索と環境要因との交互作用の検討は,発がんメカニズムの解明と予防法の開発に必要不可欠なエビデンスをもたらす.がんの疫学研究における遺伝素因の探索は,①候補遺伝子についての仮説を設定し,そのなかの遺伝子多型との関連を検討する候補遺伝子アプローチと,②特定の仮説によらずゲノム全域に配置された遺伝マーカーとの関連を検討する全ゲノム関連解析(GWAS),に大別できる.これまでに候補遺伝子アプローチによる研究が多く行われてきたが,複数の研究において結果が一致している遺伝子多型は少ない.一方,がんのGWAS の結果が2007 年に欧米から発表されて以来,研究数の増加とともに,関連する一塩基多型(SNP)が数多く同定されている.その多くは候補遺伝子アプローチで対象になっていない領域にあり,リスクアレル頻度が比較的高く,オッズ比は1.1~1.5 程度であった.これらの結果を受けてマッピングによる領域の絞り込みおよび機能解析が行われる一方,これらのSNP を用いた環境要因との交互作用の検討およびリスク予測モデル構築なども進められている.今後さらに未解明の遺伝要因を明らかにするためには,あらたな戦略を検討する必要がある.
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