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JPY
Abstract
現代社会のストレスとスリム志向を背景に,子どもの摂食障害が増えている.子どもの摂食障害は偏食から拒食や過食まで幅広いが,深刻な問題となるのは食事量が減り,ガリガリにやせる神経性食欲不振症(AN)である.AN では一家団欒の食卓が親子の戦場に変わる.たかがダイエットとみくびる子も親も,治りやすい病初期には受診しない.やせて難治性のとりかえしのつかない状態になり受診するが,一般病院はお手あげである.子どもの摂食障害の有効な治療は予防・早期発見に尽きる.学校現場と小児科医用に成長曲線と徐脈を組み合わせた早期発見法を開発した.児童期のAN は育ち盛りの脳と心身にダメージを与える.長引くほど若年死,成長障害,不妊症,精神障害,骨粗鬆症のリスクは高まり,家族と次世代にも深刻な影響を与える.治療の基本は,全人的ケアにより子どもを異化作用から健康な同化作用に導き,健康な発達軌道に戻し自己肯定感を育みなおすこと.子どもが主体的に治療に参加し,安静臥床と栄養摂取に取り組むよう促す.冷たい手や徐脈,萎縮した脳の画像などを示し,身体破壊の自覚を促す.喜怒哀楽の感情がよみがえり,自分には見捨てられる不安があることに気づき,母親に甘え直し,治癒する子もいる.父母関係の改善はどの子にも安心と自我機能の促進をもたらす.言葉にならない生きづらさを抱えながら発症する子どもと家族を守るため,多職種の大人の一枚岩の連帯が有効である.
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