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JPY
Abstract
脳脊髄液は脳の細胞間を満たす組織液と接しており,神経細胞から放出された物質は障壁なく脳脊髄液に拡散することが近年わかってきた.中枢神経や脳脊髄液はバリアで体循環と切り離されているため,脳脊髄液は脳神経疾患の臨床検体として非常に優れている.うつ病の脳ではセロトニン,ノルアドレナリンなどの放出が減るという仮説があるが,これまでの脳脊髄液の解析ではそれらの代謝産物が減っているという証拠は得られていない.また,うつ病で免疫反応が亢進しているという仮説も近年注目されている.脳脊髄液中のIL-6 が上昇しているという報告もあり,今後の検討が注目される.一方,老年期のうつ病とAlzheimer 型認知症を鑑別する検査として最近,保険適応となった脳脊髄液タウなどの測定が有用である.今後脳脊髄液を用いて,うつ病のサブタイプ分類マーカー,治療選択マーカーなどを開発するためには,詳細な臨床情報を付加した検体にプロテオーム解析などの高感度網羅的解析を行っていくことが必要と考えられる.
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