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家族性中枢性尿崩症―その病態生理とあらたな小胞体ストレス応答
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JPY
Abstract
家族性中枢性尿崩症(FNDI)は,生後数カ月から数年で進行性にバゾプレシン(AVP)の分泌が低下し,多飲・多尿を呈する常染色体優性遺伝疾患である.これまでのin vitro,in vivo における解析により,FNDI が2型糖尿病や各種神経変性疾患などと同様の小胞体ストレス疾患であり,その発症・進展において変異AVP 前駆体蛋白による正常前駆体蛋白の合成・分泌阻害と,AVP ニューロンの細胞死が関与することが判明した.著者らが作成したFNDI モデルマウスはさらに,①FNDI 発症初期にはAVP ニューロンの細胞死を認めないこと,②AVP ニューロンに形成される小胞体内凝集体の増加が病態の進行と相関すること,③Poly(A)鎖の短縮を伴ったAVP mRNA の発現低下を認めることなどを明らかにした.そしてマウス視床下部器官培養における検討は,小胞体ストレスによるPoly(A)鎖の短縮がAVP ニューロンに特異的な現象ではないことを証明した.これらの結果より,Poly(A)鎖の短縮という,mRNA の安定性と翻訳効率の低下を介して小胞体負荷を軽減するあらたな小胞体ストレス応答の存在が示唆され,それがFNDI において凝集体の形成とAVP ニューロンの細胞死を抑制している可能性が推測された.
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