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JPY
Abstract
現代日本の精神保健にかかる問題は経済問題と直結する.バブル崩壊後,企業は競って能力主義・成果主義を導入し,非正規雇用者を増やした結果,職場環境はきわめて厳しいものになった.つねに成果を求められるプレッシャーや生活苦,将来への不安などからうつ病になる人も多く,うつ・躁うつ病患者の数は2008 年に100 万人を超えた.うつ病治療には,①生物学的治療,②精神療法,③環境調整があるが,中心はもっぱら保険診療が認められている薬物療法である.通常,セロトニンやノルアドレナリンの賦活剤が多用されるが,非定型うつ病はドパミンが関係しているため,従来の抗うつ剤だけでは十分な効果が得られない.また,通院療法に比べて入院療法の医療費は割高であるが,一般診療科に比べるとその水準は低く,患者の精神症状や医療スタッフ(とくに看護師)のコストも十分に反映していない.このように問題山積の精神医療であるが,うつ病のもっとも不幸な転帰が自殺であることを考えると,復職支援も含めて国・自治体をあげた予防政策が求められる.
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