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JPY
Abstract
◎日本人の2型糖尿病の増加には,内臓脂肪型肥満によるインスリン抵抗性を基盤とする病態が大きく関与している.栄養学的な観点から,動物性脂肪の相対的な増加が原因として重要な意義をもつと考えられ,その結果,合併症の疾患構造も大きく変化している.糖尿病の食事療法の基本は総エネルギー摂取量の適正化によって肥満を是正し,インスリン作用の面から,需要と供給のバランスを図ることを目的としている.したがって,個々の栄養素の摂取比率は患者の活動度や嗜好などに応じて,医学的な齟齬がない範囲で柔軟に対応してよい.近年,炭水化物制限の体重減少効果が注目されているが,炭水化物摂取量の制限によって,総エネルギーとは無関係に体重が減少することを示すエビデンスはない.総エネルギーの適正化をしない極端な炭水化物摂取制限は,その効果のみならず,長期にわたる安全性・遵守性などの面から危惧があり,これを勧めることはできない.
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