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JPY
Abstract
◎がんの増殖には血管新生が必須であるため,これを標的とした血管新生阻害剤の臨床応用が進んでおり,すでにそのいくつかは実臨床で良好な効果を発揮している.しかし,その効果は限定的で,これらの薬剤に対する耐性現象が臨床現場で問題となっている.現時点ではヒトがん組織における血管新生阻害剤耐性メカニズムの多くは不明であるが,マウスモデルによる検討から,①低酸素環境下でがん細胞の悪性度が増し,代わりとなる他の血管新生促進因子が産生される,②骨髄由来細胞や線維芽細胞など,宿主由来細胞が集積し血管再構築にかかわる,③がん幹細胞様細胞が血管内皮細胞に分化し血管を再構築する,④周皮細胞(pericytes)が腫瘍血管を保護する,などの機序が報告されている.さらに最近,著者らは肺癌・悪性胸膜中皮腫の抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体治療耐性にかかわるあらたな細胞として,線維細胞(fibrocyte)を同定した.今後,血管新生阻害剤耐性克服に向けたさらなるメカニズムの解明,バイオマーカーの開発が望まれる.
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/content/article/0039-2359/252070/814