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JPY
Abstract
◎化学療法の進歩に伴い,薬剤性心筋症の発症が問題となっている.アントラサイクリン系薬剤は活性酸素種の過剰産生,トポイソメラーゼⅡの機能障害により容量依存性に心筋障害を発症させ,心筋細胞死を伴う不可逆的な心筋障害をきたすことが多い.分子標的療法はチロシンキナーゼに対する薬剤が多いが,同キナーゼは心筋細胞においても多様なシグナルにかかわるため,薬剤性心筋症の原因となる.トラスツズマブは容量非依存性に心筋障害を発症させるが,薬剤中止により心機能は回復する症例も多く,再投与が可能な場合がある.化学療法剤は心筋障害以外にも高血圧や血栓塞栓,不整脈など多様な循環器合併症を起こしうることに留意する必要がある.薬剤性心筋症の治療は一般的にβ遮断薬,ACE阻害薬を中心に治療を行うが,いまだエビデンスとしては確立していない.化学療法の遂行にあたっては,がん専門医と循環器内科医の連携が重要と考えられる.
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/content/article/0039-2359/252100/1112