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JPY
Abstract
◎匂いは嗅神経細胞に発現する嗅覚受容体に受容され,嗅球を経て高次嗅覚中枢を活性化することによって記憶の形成や適応的な行動を引き起こす.哺乳類の高度な匂い識別能力は,嗅上皮から嗅球への精緻な神経回路によって支えられている.過去10 年の遺伝学的研究により,個々の嗅神経細胞が嗅覚受容体の種類に対応して嗅球に“匂い地図”をつくりだす分子・細胞基盤が明らかになってきた.また,近年のイメージング・トレーシング技術の向上により,嗅球は単に情報を高次中枢へ受動的に伝達するのではなく,匂い情報の記憶や出力制御に積極的な役割を果たしていることがわかってきた.嗅球で演算された匂い情報は僧帽細胞の軸索により嗅覚皮質へと伝達される.それぞれの嗅覚皮質領域は僧帽細胞から受け取る入力パターンに違いがあり,嗅覚学習や匂いによる忌避・誘引行動の制御において異なる機能を担っていることが考えられる.本稿では,これら嗅覚系の神経科学におけるホットトピックを概説したい.
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/content/article/0039-2359/253060/487