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JPY
Abstract
◎現在の医学では治療することができない神経変性疾患や難治性眼疾患に対し,神経保護は理想的な治療戦略のひとつである.著者らは,これらの疾患での神経細胞死にATP レベルの減少が深く関与していると想定し,ATP の減少を防ぐことでこれらの疾患の発症の予防と進行の抑制ができると考えてきた.そして,そのような作用をもつ化合物として,VCP とよばれる細胞に豊富に存在するATP 分解酵素のATP 分解活性を抑制する化合物KUSs(Kyoto University Substances)を開発した.KUSs は,VCP の細胞での機能に影響を与えることなくVCP によるATP の分解(浪費)を抑制し,その結果さまざまな条件でのER ストレスを軽減することで,(神経)細胞を保護する作用があることが判明した.さらにKUSs は,網膜の視神経細胞が死滅することで発症する網膜色素変性のモデルマウスrd10 に対し,in vivo において有意な神経保護作用を示した.これらの結果は神経細胞死を引き起こす病態において,VCP によるATP の消費が細胞の運命決定にきわめて重要な役割を果たすこと,そしてその制御が有効な神経保護につながる可能性を示している.
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/content/article/0039-2359/254050/361