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核小体ストレス応答と腫瘍化進展制御──あらたな抗癌治療薬開発をめざして
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JPY
Abstract
◎核小体で起こるリボソーム生合成は細胞エネルギーの大半(~80%)を消費することから,細胞の増殖・分化や栄養などの細胞内外の状態によって厳密に制御を受ける.リボソーム生合成の異常は核小体にあるリボソーム蛋白質(RP)の放出を起こし,これが核小体外の領域にあるMDM2 と結合し機能を抑制し,癌抑制因子p53 の安定化により細胞増殖を抑制させる核小体ストレス応答を引き起こす.著者らは,核小体ストレス応答経路を制御する分子としてあらたにPICT1 を同定し,PICT1 遺伝子の欠損や発現低下で起こる核小体ストレス応答がDNA 損傷なしにp53 を増加させ,腫瘍細胞の増殖や個体の腫瘍化を抑制すること,ヒト腫瘍患者の予後良好さと相関することなどを見出した.これらのことから,核小体ストレス応答経路は腫瘍化の抑制にきわめて重要であり,この経路を誘導する薬剤は遺伝毒性がない魅力的な抗癌剤となると考えられた.本稿では,核小体ストレス応答の制御機構や,腫瘍化を抑制する役割を概説するとともに,抗癌治療に向けたあらたな取組みについて紹介する.
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/content/article/0039-2359/254050/375