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若手医師が拓くアルコール医療の未来―地域医療の観点から
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JPY
Abstract
アルコール依存症の当事者団体,飲酒運転や一気飲み被害者とそのご遺族,市民団体,またわれわれアルコール医療関係者の悲願であった“アルコール健康障害対策基本法”が2014 年6 月に施行され,アルコール医療の新しい時代が幕を開けた. これまでの厚生労働省の患者調査によると,精神科を受診しているアルコール依存症の総患者数は,入院・外来合わせて過去30 年間毎年4 万人前後で推移し1()図1),実はほとんど増加していない.アルコール依存症の国内推計患者数を109 万人とすると,受診率は1 割にも満たず,さらに自助グループにつながる確率については1╱100 程度と推測される. アルコール医療の重要課題として常々指摘されてきた,このトリートメントギャップをわれわれはいまだに解決できていない.さらにアルコール関連問題は,性別,年齢を問わず地域社会に根深く広がっており,いまや“アルコール専門医療機関”から垣間見ることのできる問題は,そのごく一部といえる.今後,われわれアルコール医療従事者はトリートメントギャップの改善のために,アルコール医療の質をつねに向上させ(三次予防),受診率を上げる(二次予防)努力だけでなく,その分母となる患者数を減らす,すなわち一次予防にも関心をもち,保健医療分野を超えた幅広い領域,関係機関と連携した地域医療体制をつくるべく,地域の牽引役にならなければならない. 著者は大阪南部に位置する148 床のアルコール依存症を専門とする精神科病院に勤務し日々臨床業務に従事している.本稿では一精神科医の立場として,大阪のアルコール医療の歴史を振り返り,地域医療の観点から著者の考えるアルコール専門医療機関が担うべき今後の役割について述べたい.
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