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アルコール関連問題を取り巻く世界の潮流と日本の動き
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JPY
Abstract
アルコール関連問題は医療の問題に限らず,離婚や虐待といった家庭問題,事件や事故,欠勤や生産性の低下といった職場での問題まで幅が広い.このような社会全般にまたがる問題への対処として,2013 年に“アルコール健康障害対策基本法”が成立した.専門医療の充実や教育,調査研究の推進から酒類の販売や広告に関する取組みまで,さまざまな施策が基本計画に組み込まれて推進されることとなる.一方,2010 年にWHOは“アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略”を決議した.日本は,①健康日本21 における数値目標,②保健指導におけるブリーフインターベンションの導入,③飲酒運転に対する取組みなど,アルコール関連問題に対してこれまでも時宜を得た取組みをしてきたところであるが,この基本法の成立によりさらに大きく前進した.従来,“アルコール”は医療のなかでも特殊な領域と認識されがちであったが,今後はより多くの医療者がアルコール関連問題へかかわることが社会から要請されるであろう.
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