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JPY
Abstract
◎慢性炎症は,慢性経過をたどる癌や血管病,代謝異常症など種々の疾患において共通の病態形成基盤であることが近年の検討より明らかとなってきた.慢性炎症は,急性炎症反応が単に時間的に継続したものではなく,質的な差異がある現象であると考えられている.近年の検討より,炎症の慢性化に急性炎症の仲介因子として認知されてきたプロスタグランジン経路が寄与することが明らかとなった.プロスタグランジン経路は,炎症の慢性化過程においてプロスタグランジン産生酵素シクロオキシゲナーゼ誘導を介して正のフィードバック経路を形成し,炎症反応の遷延化や増幅をもたらす.また同経路は,他のサイトカインと協調的に機能し炎症局所に存在するサイトカインにより惹起された炎症反応を増幅する.さらに,細胞遊走因子の誘導を介し炎症部位への炎症細胞浸潤を促進することにより,炎症反応を増悪させるとともに炎症局所で炎症反応を担う細胞種を変化させ,炎症の質的変容をもたらす.これら複数の機構により,プロスタグランジン経路は炎症慢性化を制御する.そのため,同経路は慢性炎症を制御する主要な経路のひとつであると考えられる.それゆえ,さまざまな社会的に重要な疾患の創薬標的ともなりうる.
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/content/article/0039-2359/254120/1097