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プロスタグランジンによるリンパ管新生とリンパ組織可塑性の制御
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JPY
Abstract
◎リンパ管,リンパ組織は,血管とともに生体内の恒常性の維持や免疫応答など生理的に重要な役割を担っているだけでなく,炎症や悪性腫瘍の転移などの病態の進展にも関与している.慢性増殖性炎症モデルにおける肉芽生成に伴って認められるリンパ管新生は,シクロオキシゲナーゼ(COX)-2 由来のプロスタグランジン(PG)で増強するが,“ファイブロブラスト”およびマクロファージでのPGE2のEP3/EP4 受容体を介したシグナリングが重要であることが判明した.また,癌のリンパ節転移をいかに抑制するかは,癌患者予後を考えるときに吃緊の課題である.多くの腫瘍で,転移前段階(premetastatic phase)において,何らかの分子機構によって特定の器官により転移しやすい傾向があることが広く知られており,この転移を助長する状況(premetastaticniche)を形成することで転移を促進することが血行性転移の過程で報告されている.肺癌リンパ節転移モデルにおいて癌のリンパ節転移に先立って,COX-2 由来のPG がリンパ組織の可塑性を制御し,niche 形成に役割をもっていることが判明した.病態時のリンパ管新生,リンパ組織の可塑性を制御するPG研究の成果は,多くの難治性の疾患治療に進展をもたらすことが期待される.
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