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JPY
Abstract
◎がん微小環境,なかでもTGF-βによるがん細胞側の変化を中心に,がんの悪性化機構について議論する.TGF-βは多様な機能をもつサイトカインであるが,がんではとくに進行期において腫瘍促進的な働きを示すと考えられている.注目されているTGF-βの腫瘍促進的な働きのなかには,上皮間葉移行(EMT)の誘導や,細胞外マトリックスの産生調節・線維化,免疫監視機構からの回避などがあげられる.EMT を経て間葉系細胞の形質を有したがん細胞は,転移能が亢進することにとどまらず,薬剤抵抗性や幹細胞形質の獲得へも寄与していると考えられている.TGF-βの阻害剤を用いることで,EMT を通した浸潤・転移を抑制することや,線維化によるドラックデリバリーの阻害を減弱させることがわかっている.さらに近年では,他の抗がん剤とTGF-β阻害剤を併用することで薬剤抵抗性を減弱させ,抗がん剤の効果を向上させることも試みられている.
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/content/article/0039-2359/258010/65