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JPY
Abstract
◎細胞集団の解析をバルクで行う場合,マイナーな細胞群に生起する鍵となる初期現象をとらえることができない事例が数多く報告されている.さまざまな階層のオミクス解析において,一細胞解析を用いて個々の細胞を解析することの重要性が認識されるようになった.初期発生研究は一細胞RNA-seq 解析,その関連技術の応用が顕著な分野であり,cell lineage ごとの発現データ解析が数多く報告されている.最近,がん研究においても抗がん剤の効果と関連があるとされるcancer heterogeneity やintratumor heterogeneity(ITH),さらにはcirculating tumor cel(l CTC)に関して一細胞解析レベルでの解析が用いられるようになり,将来の個別化医療に向けて重要な展開が期待される報告が相次いでいる.一方で,ますます拡大する用途を背景に,基盤解析技術に関する多様化,汎用化の進展も著しい.とくに自動化システムの上市が多くの専門外の研究者にも一細胞解析へのアクセスを可能としている.本稿では,一細胞解析を利用した諸分野での応用例と今後の可能性について展望する.現在使用されているいくつかの一細胞解析の技術に関して,著者らの最近のデータも含め概説したい.
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