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JPY
Abstract
◎アデノシン三リン酸(ATP)の加水分解で生じるエネルギーは生命活動維持に必須であるため,さまざまな組織や細胞に多様な膜型ATP 分解酵素が発現することで,生体の恒常性が維持されている.がん細胞は急速な細胞増殖を維持するため,大量のグルコースを取り込み,解糖系を活性化させることでATP,核酸,アミノ酸,脂質を産生している.がん局所では正常組織に比べ,細胞外ATP 濃度が上昇すること,がん微小環境においてATP 代謝で生じたアデノシンが抗腫瘍免疫応答を抑制することが明らかとなっている.また,がん細胞の小胞体に高発現する膜型ATP 分解酵素ががん細胞における糖代謝亢進に関与すること,がん細胞内のATP が多剤抵抗性獲得に必須であることが明らかとなり,ATP 代謝制御を標的としたがん研究の重要性が示唆されている.今後,膜型ATP 分解酵素活性制御機構のさらなる解明が,ATP を標的とした新薬開発につながることが期待される.
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/content/article/0039-2359/258050/451