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古くて新しい希釈式自己血輸血―少子高齢化社会で期待される第三の自己血輸血
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JPY
Abstract
◎近代医学で同種血輸血の果たした役割は大きく,いまでも代わりはみつからない.一方,同種血は臓器移植であるため,抗体産生の可能性がある,完全な感染症の排除は困難であるなどの問題が残る.同種血の危険性は限りなく低くなったとはいえ,不必要な輸血は避ける必要がある.また,少子高齢化により献血者数は年々減少しており,血液製剤の不足という深刻な社会問題もある.別の視点から考え,自分の血液(自己血)で同種血の代わりとすれば同種血に頼らなくてすむ.緊急手術での大出血には間に合わないが,予定手術での出血への対処であれば作戦がたてられる.これが自己血輸血の考え方である.これまで回収式・貯血式が普及していたが,2016 年度に希釈式がようやく保険適応として認可された.希釈式では全身麻酔導入から手術開始までの短時間に自己血採血・希釈液輸液を行う.急性医原性血液希釈状態を作成して手術にのぞみ,術中に薄い血液を出血させ血球成分喪失を実質的に軽減させようという目論見である.麻酔科医の関与,術中麻酔管理の複雑さ,術中出血量の見極めと採血量設定の難しさなどの課題は多くある.しかし,全成分血が確保できる点で非常に特長がある.他の自己血法と組み合わせれば,同種血輸血回避の可能性はさらに高くなる.
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