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JPY
Abstract
1980 年代以降,わが国の新生児医療は飛躍的に進歩し,周産期母子医療センターの整備とも相まって,いまでは“世界でもっとも新生児死亡率の低い国”となっている.この間,1991 年に母体保護法の改正により人工妊娠中絶の認められる妊娠週数が21 週までに引き下げられ,それまでは積極的には治療の対象にはならなかった在胎22 週,23 週で出生する早産児のNICU 入院や,呼吸管理,循環管理など医療技術の進歩によって,より積極的な治療を受ける重篤な新生児が増加した.新生児医療の進歩は他方でNICU 長期入院児や,重度心身障害児の増加などあらたな課題を生み出すこととなり,ともすれば児に対する医療的介入が“過剰な治療”“行きすぎた延命処置”と批判されることとなった.新生児医療の進歩がさまざまな倫理的課題を提起する一方で,その多くに対してはいぜんとして十分な議論が行われているとはいいがたい現状がある.本稿では新生児医療におけるこれらの倫理的課題について,いくつかの事例を提示し概説する.
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/content/article/0039-2359/260030/237