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中皮腫の発がん機構・遺伝子異常―解明されつつある中皮腫のゲノム異常
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JPY
Abstract
悪性中皮腫における遺伝子異常の本態は,がん抑制遺伝子(CDKN2A,p53,NF2,BAP1)の不活化変異,染色体の広範な欠失およびエピゲノム異常である.これらの異常は細胞周期,アポトーシス,細胞内シグナル伝達系(Hippo,mTOR),ヒストン修飾,RNA プロセッシングなどの制御異常を引き起こす.ゲノム上に起こった体細胞突然変異の数はほかのタイプのがんと比べると低頻度であり,治療標的になりやすい活性型のがん遺伝子の異常はまれである.上皮型と肉腫型といった組織型によって遺伝子発現プロファイルは大きく異なるが,個別の遺伝子異常のタイプや頻度の点では特徴的な差は少ない.一方,BAP1 遺伝子の生殖細胞系列遺伝子変異を有する家系も報告され,悪性中皮腫はアスベスト曝露を主体とする環境要因が優位の腫瘍であるばかりではなく,体質的な要因も重要であることが明らかになってきた.
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