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JPY
Abstract
プレシジョン・メディシン(精密医療)とは,遺伝子,環境,ライフスタイルに関する個々の違いを考慮した予防や治療を確立し,実践することを指す.その本質は,遺伝子変異などの客観的指標を用いて特定の特徴を有する患者あるいは患者予備群を囲い込み,グループごとに治療戦略や予防策を講じることによって,高い費用対効果を得ることである.乳癌領域ではサブタイプ分類に基づく治療戦略など,プレシジョン・メディシンの原型がすでに実践されてきた.近年,次世代シークエンサー(NGS)の登場により,実臨床において癌関連遺伝子の網羅的解析を行うクリニカルシークエンスが可能となり,アメリカではプレシジョン・メディシンの実践をめざした新しいタイプの臨床試験が開始されている.本稿ではプレシジョン・メディシンの概念とその実際について概説し,乳癌領域におけるプレシジョン・メディシンの現状と,今後の展望について述べたい.
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