No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
コホート研究とは,疫学研究のうちの観察研究のひとつであるが,原因(生活習慣などの曝露要因)に関する情報の収集が,研究目的としている疾病の発生よりも前になされる点が特徴的であり,観察研究のなかでもエビデンスレベルは高い.がん予防を目的とした大規模コホート研究は,1950 年代から1960 年代に,広島・長崎原爆被曝者コホートである寿命調査,平山らによる計画調査が開始され,1980 年代から1990 年代には,当時の環境庁助成による3 府県コホート,文部省助成によるJACC Study,厚労省助成による多目的コホート研究,宮城県コホート,大崎国保コホート,高山コホートといった大規模コホート研究が開始された.現在ではそれらのコホート研究から,喫煙や飲酒など生活習慣とがんとの関連が報告され,多くのエビデンスの蓄積により,がん予防法の確立が行われている.近年,体質・遺伝子型などの個人差を考慮した予防法(個別化予防)の開発のためのエビデンスの重要性が注目されているなかで,2000 年代に入り,日本多施設共同研究コホート,次世代多目的コホート研究,東北メディカルメガバンク事業などの分子疫学コホート研究が構築されている.今後はわが国においても,がんなどの生活習慣病の個別化予防のためのエビデンスを創出できる可能性が期待される.
Full text loading...
/content/article/0039-2359/261090/869