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JPY
Abstract
がん分子疫学は,基礎実験で認められた発がん現象を,分子生物学的な指標を導入することによりヒト集団で検証する,という意図を持って発明された.その基本的な概念のひとつに“遺伝子環境要因交互作用”がある.この概念の典型例としてあげられるのが,食道がんリスクに対するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)と,飲酒の遺伝子環境要因交互作用である.ALDH2 酵素活性が著しく低い遺伝子型を持つヒトにおいては飲酒の影響が大きくなる.この現象は,ALDH2 遺伝子型に基づく飲酒行動への介入という,常にわかりやすい予防につながりうる.一方で,全ゲノム関連解析から数多くの遺伝子環境要因交互作用を認めない,単なる易罹患性マーカーが数多く報告されている.このがん予防への影響はまだ模索段階である.本稿では,乳がんにおける易罹患性マーカーの予防への応用の可能性に関して自験例を紹介する.予防への応用の成否は,リスク層別に使えるかどうかが決め手であろう.今後の検証が期待される.
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