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JPY
Abstract
統合失調症当事者の恋愛・結婚・子育てについて,精神科医は再発のリスクや薬の調節を考え“慎重”という立場が多く,積極的に支援する医師はまだ少ない.一般医では症状の理解が困難なため,さらに抵抗感やとまどいが強いのではないであろうか.著者は,統合失調症の母親の元で生育した精神科医である.母親を,私の子育ても含めて受け入れ尊敬できるようになったのは私が50 歳を過ぎてからであった.私は当事者が恋愛や結婚・子育てをすることに反対ではない.長い時間と葛藤を経たが,症状を持ちながらも私を世に送り出してくれた母に今は感謝している.結婚や出産を考えている女性当事者が,病気ゆえに夢をあきらめなくてすむようになるには,パートナーや配偶者への説明,服薬調整・家事援助などの生活支援,遺伝カウンセリング,子育て相談など,精神科領域を越えた多方面にわたる支えが必要である.しかし,多くのエネルギーを投じるだけの価値があると考える.それだけのものを,私は母からもらったと思っているからだ.当事者に育てられた子の思いを伝えることで,支援者のためらいや不安が軽減し支援の意義を認識されることを願う.当事者は“再発しないために生きる”のではなく,“病気も含めてその人の人生を生きる”ことを希望している.専門家こそが理解すべきであり,専門家の姿勢が社会の認識も変えていく.
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