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JPY
Abstract
精神疾患の背景には脳と社会の複雑な相互作用がある.このため“主体価値”仮説のようなあらたな視点が精神疾患の脳神経基盤を理解するためにも有用であろう.そこで本稿では,環境からの感覚入力に対して,注意,価値づけ,意欲や行動選択を行う神経基盤をシナプスとモノアミンの相互作用として理解するモデルについて検討する.新皮質シナプス回路にはサリエンシー検出機構が存在し,環境からの感覚入力の特徴を常時検出している.情動価に関する信号はモノアミンによりコードされ,感覚入力とモノアミン信号が連合するとあらたに脳内で価値が割り当てられるものと考えられる.このような価値経験の記憶は前頭葉や辺縁系に貯蔵され,その後,協調したり,拮抗したりしながら意欲行動の制御をしていると考えられる.このような価値シナプス神経回路は,統合失調症などの精神疾患の神経基盤候補と符号する.遺伝子操作,シナプスの形態観察,細胞内シグナル観察,神経活動操作などさまざまな実験技術が進歩しているので,価値シナプス神経回路に基いて病態モデルの解析が進むと期待される.
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/content/article/0039-2359/261100/976