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免疫チェックポイント阻害薬による肺臓炎/間質性肺炎―新しいタイプの肺臓炎
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JPY
Abstract
免疫チェックポイント阻害薬であるPD-L1 抗体による重篤な免疫関連有害事象のうち,もっとも多いものが肺臓炎(間質性肺炎)である.発現割合は約5%,死亡リスクは約0.5%と推定される.組織学的にはリンパ球の浸潤がみられる器質化肺炎(OP)を呈するものがもっとも多い.副腎皮質ホルモン(ステロイド)治療への反応性は良好であるが,ステロイド剤の減量に伴い再燃を繰り返すことがあり,減量には注意が必要である.急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia)類似の病態を呈した場合はステロイド治療によっても回復が難しく,インフリキシマブなどの免疫抑制剤でも寛解が難しいケースが報告されている.また,従来の薬剤による肺臓炎ではみられなかった特徴として,原発・肺転移病巣の周囲や放射線照射領域の近傍にすりガラス影や浸潤影,あるいは胸水貯留を呈する一群があり.免疫チェックポイント阻害薬により再活性化されたリンパ球の集簇を画像的にとらえている可能性がある.免疫チェックポイント阻害薬治療中に咳や息切れ症状の出現,悪化があればすぐに胸部画像検査ならびに血液検査を行い,経過やCT 画像で本事象の特徴を有していれば,他の検体採取をしたうえで速やかにステロイド投与を開始することが望ましい.ステロイドにより陰影が寛解した後に免疫チェックポイント阻害薬を再投与することが可能かどうかについては現在もまだ明確な指針がなく,再投与後に再燃し重篤な転帰となった報告もあることから,慎重な対応が必要と考える.肺という臓器でみられる新しいタイプの免疫チェックポイント阻害薬の反応と考えられ,薬物そのものによる組織障害ではなく,自己免疫ネットワークを介した事象である可能性が高い.抗腫瘍効果との関連を指摘する報告もある.今後,症例報告や発症や重篤化の予測因子に関するデータの集積により,より適正な薬剤の使用方法などが確立されることが望まれる.
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