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JPY
Abstract
「人の身は百年を以て期とす.(中略)短命なるは生れ付て短きにはあらず.十人に九人は皆みづからそこなへるなり.ここを以て,人皆養生の術なくんばあるべからず」.これは江戸の元禄期,儒学者の貝原益軒が著書『養生訓』に書き残した言葉である.この実体験に基づいた健康指南書は,健康を維持するうえでの食の重要性を指摘している.これまでに,酵母や線虫などのモデル生物を用いた先駆的な研究において,ヒトを含む高等生物に至るまで進化的に保存された“栄養・エネルギーセンシング経路”の遺伝子が寿命を制御することが見出され,カロリー制限や栄養素のバランスが寿命を調節しうることが示されている.哺乳動物においてもカロリー制限が同経路の機能調節を介して,加齢によって発症のリスクが高まる疾患(加齢関連疾患)を抑制できることを示す知見が蓄積されており,寿命を制御するメカニズムに基づいて,科学的アプローチによる現代的な養生(健康)法が試行されている.本稿では,食が制御しうる生体の寿命調節メカニズムを中心に概説し,老化を予防できる可能性について議論する.
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