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JPY
Abstract
近年,新しいがん治療として患者体内の免疫機能を活性化させることでがんを排除する,がん免疫療法の研究が盛んに行われている.とくにがんを特異的に認識し,攻撃する細胞傷害性T 細胞(CTL)がその要となるが,患者体内でがんを認識するCTL の数は少なく,また,腫瘍との慢性的な接触や細胞増幅によって疲弊することが知られている.疲弊したCTL は細胞寿命に関わるテロメア長が短くなることに加え,サイトカイン産生能や増殖能が低下することで腫瘍に対する抗腫瘍効果が減弱すると報告され,CTL をがん治療に用いるうえでの問題となっている.このような問題に対応するため,筆者らは,患者由来のCTL を人工多能性幹細胞(iPS 細胞)へ“若返らせ”,再度T 細胞へと再生させたiPS-T 細胞の研究を行っている.本稿では,iPS 細胞からのT 細胞再生の基本と自家または同種移植をめざした抗原特異的T 細胞再生の成果について紹介したい.
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