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高血圧患者におけるAT1受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の腎保護効果?ケース・コントロール研究ー
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JPY
Abstract
高血圧治療では,厳格な降圧により末期腎不全(ESRD)への進展を抑制することが示され,降圧薬を併用する機会が増えている。それゆえ,AT1受容体拮抗薬(ARB)もしくはカルシウム拮抗薬(CCB)で治療していた高血圧患者で,降圧薬の種類の違いによる腎保護作用に違いがあるかどうかを臨床で検討する意義は高いと考えられる。そこで今回,ARB もしくは CCB で治療していた高血圧患者 741 例を対象に腎イベントの発症(血清クレアチニン値の 2 倍への到達)に関係する因子の検索を行った。まず,降圧薬の使用状況で腎イベントの発症に違いがあるかどうか評価したところ,ARB 単独および CCB 単独治療をしていた高血圧患者では腎イベントは発症しておらず,ARB と CCB を併用していた高血圧患者でのみ腎イベントは発症していた。ARB と CCB で併用治療していた高血圧患者は,ARB 単独および CCB 単独治療をしていた高血圧患者に比べて有意に血清クレアチニン値が高値を示し,eGFR が低値を示していた。 そこで,ARB と CCB で併用治療していた高血圧患者 286 例を解析対象として,腎イベントの発症に関係する因子を検索し,多重ロジスティック回帰分析で補正したところ,腎イベントの発症に対するオッズ比が,慢性腎臓病(CKD)で 4.07(95%信頼区間;2.11〜7.86,p<0.001)およびベニジピンの使用で 0.32(0.15〜0.69,p=0.004)を示し,いずれも有意差が認められた。これらのことから,CKD が腎イベント発症の危険因子であり,腎機能障害の初期からの治療が重要であることをあらためて明らかにするとともに,カルシウム拮抗薬の薬剤別解析によりベニジピンが ARB との併用治療で腎保護作用が強いことが示唆された。
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