Abstract
対象患者は大阪府南部地区に位置する急性回復期リハビリテーション施設(以下,回復期リハ施設)の平成 14 年 7 月から平成 15 年 3 月まで入院していた 267 名である。その内訳は男性93 名(年齢 62.8±20.4 歳:16~95 歳),女性 174 名(年齢 77.5±12.1 歳:20~101 歳),病態 の内訳は脳血管障害 55 名,その他の骨折 87 名,頭部外傷 34 名,大腿骨頸部骨折 34 名,廃 用症候群 34 名,その他の疾患 23 名であった。 回復期リハ施設の在棟日数は 52±33 日,当施 設からの退院先は自宅が 150 名(56.2%),非在 宅は 116 名(43.5%),不明 1 名(0.3%)であっ た。非在宅の退院先は急性期病床 43 名,状態 悪化〈後死亡〉13 名,療養型病床 34 名,老健 10 名,特養 5 名,その他の施設 11 名であった。 また,病態が悪化した患者は嚥下性肺炎により 死亡した。身体機能を観察するために Barthel Index(全 10 項目)を用い入院時と退院時のス コアを算出した。10 項目の合計スコアは入院時で 45.69±28.19(M±SD),退 院 時 は 65.54± 34.32 であった。入院時と退院時の Barthel Index スコアを比 較すると p<0.01 と著明に退院時で高値を呈 し,退院時において明らかに身体機能の改善を 認めた。この施設を利用する患者は高齢者が多 いことから,今後は廃用疾患群と誤嚥性肺炎の 併発を予防する必要がある。