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カルシウム・マグネシウム食飼育ラットにおけるマンガンの中枢神経系組織への沈着
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JPY
Abstract
マンガン(Mn)は神経細胞の維持や脳機能には重要な微量金属である。しかし,過剰に摂取されると,中枢神経系(CNS)組織で Mn2+から Mn3+に変換され,oxygen free radical を産生し,ドパミンの酸化などによるβアミロイド蛋白が出現する。その過程でパーキンソン病や認知症が発現することが報告されている。また,わが国では老人性の認知症が多く,この疾患には Mn の関与も考えられることから,ラットをミネラル偏食(低 Ca・Mg)で飼育し,CNS のMn 含有量を測定した。またラットを標準食(A群),低 Ca 食(B 群),低 Ca・Mg 食(C 群),低 Ca・Mg+高 Al 食(D 群)で 90 日間飼育し,エーテル麻酔下で前頭葉皮質,脊髄(頸椎),腎,筋肉,腹部大動脈,第 3 腰椎骨,大oe 骨中間部を採取し,Mn 含有量を放射化分析非破壊法(NAA)で測定した。血清 Ca は A,B 群と比較して C,D 群で有意に低下した(p<0.01)。血清 Mg は A,B 群と比較して C,D 群で有意に低下した(p<0.01)。血清 Al と Zn に食餌による影響は認めなかった。前頭葉皮質でのMn 含有量は A 群≒B群<C 群≒D 群(p<0.05)であり,C,D 群で有意に増加した。その他の軟部組織でミネラル偏食による有意な変化は認めなかった。骨では,D 群は A,B,C 群と比較して p<0.01 で有意に増加した。ミネラル偏食(低 Ca・Mg)では,前頭葉皮質に過剰に Mn が沈着した。この結果は CNS の変性疾患を引き起こす可能性を示唆している。高齢者は Ca・Mg が負のバランスの状態であり,Mn が CNS 内に沈着しやすいことから,Ca・Mg のバランスを保つ必要がある。
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