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心房細動の治療戦略−低侵襲外科治療:胸腔鏡mini Maze−
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JPY
Abstract
心房細動の外科治療では,Maze 法が満足のいく結果を得ている。しかし,Maze 法は,複雑で難度が高く侵襲も大きいため,わが国においては器質的心疾患を有さない心房細動に対しては受け入れられていない。欧米で2003年より胸腔鏡やRobot を用いた低侵襲外科治療が行われ,わが国でも2007年に導入され良好な結果を得ている。今後,非弁膜症性心房細動の疾病者数の増加が予想され,低侵襲外科治療が治療法の選択肢の一つとして期待されている。胸腔鏡mini Mazeの手術適応は,薬物療法に抵抗性の非弁膜症性心房細動で,左心房のリモデリングを伴わない(左房長径<5cm)症例となる。手術は,分離肺換気による全身麻酔下に行い,人工心肺を使用することなく心拍動下に胸腔鏡を用いて,心房細動の発生と持続の二つの事象に対し,肺静脈隔離術とGanglion焼灼を行う簡略化した治療法である。これまでの報告で死亡例はなく,合併症として術中肺静脈損傷や左心耳からの出血,術後胸腔内出血があるが,致死的合併症は認めない。われわれが日米で施行した20 例では18 例が洞調律へ復帰している。胸腔鏡mini Maze は,カテーテルアブレーションと比べ,全身麻酔が必要であり,胸部に小切開は加わるが,放射線被曝がなく,胸腔鏡の画像で確実に肺静脈隔離術が行え,心外膜直下に存在するganglionを同定し焼灼することが可能である。従来のMaze 法と比べると簡略化した治療法であるが,人工心肺や胸骨正中切開が不要であり低侵襲かつ美容上優れている。胸腔鏡mini Mazeは,薬物療法に抵抗性の非弁膜症性心房細動に対する治療戦略において,有用な治療法の選択肢となりうると考えられる。
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