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JPY
Abstract
嚥下性失神はまれな状況失神の一つであり,ペーシング治療がときに有効である。今回,われわれが経験した 2 症例を提示し,嚥下性失神の診断,ペースメーカー適応や問題点などにつき文献的知見と併せて報告する。症例 1:32 歳,男性。既往症なし。友人と飲酒時に痙攣を伴う失神発作を生じ近医受診。その後の精査で頭蓋内疾患や器質的心疾患は認めなかったが,ホルター心電図にて夕食時に最大2.5 秒の洞停止を指摘された。その後,約 3 ヵ月間に計 3 回の失神発作を生じ,精査目的にて当院紹介。心臓電気生理学的検査(EPS)では洞機能および房室伝導能は正常であったが,水分摂取時に一致して洞停止および房室ブロックを認め,最大 2.8 秒の R-R 間隔の延長,血圧低下を生じた。硫酸アトロピン静注により同現象は消失した。嚥下性失神を疑い,この時点でペースメーカー植込みが考慮された。しかし,最大 RR間隔延長が著明ではなく,失神との関係も明確ではないため,植込み型ループ心電計(ILR)にて失神時の R-R 間隔の同定,薬物療法の効果判定を行う方針とした。症例 2:70 歳,男性。陳旧性心筋梗塞,高血圧で加療中。夕食時およびコーヒー摂取中に意識消失を認め,精査目的にて当院紹介。ホルター心電図にて最大 2.6 秒の洞停止,心エコーにて下後壁の壁運動低下を認めた。Head-up tilt 試験は異常なく,冠動脈造影検査では右冠動脈ステント留置部に 50%狭窄を認めるのみであった。EPS では洞機能・房室伝導障害ともに認めず,心室性不整脈も誘発不能であった。嚥下時には最大 2.1 秒の洞停止および左脚ブロックを生じたが,めまいや失神,血圧低下は認めなかった。症例 1 と同様,徐脈と失神との関係も不明確なため ILR 植え込み予定としていたが,その後の経過中に早朝ベッド上で飲水した際,前失神症状に一致して約 7.5 秒の洞停止が記録された。嚥下性失神と診断し,rate-drop response(RDR)機能付きペースメーカー植込みを行った。術後は失神の再発なく経過している。
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