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JPY
Abstract
日本の 2009 年度の透析患者数は 29 万人を超え,年々増加傾向にある1)。透析患者の死亡率は 9.7%であり,心不全・脳血管障害をはじめとした心血管疾患がその死亡原因の 3 割以上を占めている1)。血清リン濃度は,主に尿中へのリン排泄によりコントロールされるが,腎機能が低下した慢性腎不全(CKD)患者や透析患者ではリンの排泄が不十分となり,高リン血症が起こりやすい。高リン血症が持続すると,腎臓におけるビタミン D の活性化が障害され,軟部組織および血管の石灰化の原因となる高カルシウム血症が惹起される。CKD に伴うリン・カルシウム代謝異常は血管の石灰化を介して心血管疾患を誘発し,患者の生命予後に大きな影響をもたらすことが臨床研究により明らかになっている2,3)。こうした背景から,CKD 患者の生命予後を良好に保つためには,血清リン濃度およびカルシウム濃度を管理し,血管石灰化の進展を抑制することが極めて重要である。また,人工透析によっても十分なリンの除去は難しく,リンの摂取制限が必須となる。しかし食事制限だけで血清リン濃度を十分に抑制することは困難であり,多くの患者でリン吸着薬が必要となる。2009 年 3 月,血清リン濃度を低下させる薬剤として非アルミニウム・非カルシウム性のリン吸着薬である炭酸ランタンの臨床応用が可能となった。炭酸ランタンは,炭酸カルシウムや塩酸セベラマーよりも高いリン吸着効果を有することが示されており4),国内で行われた臨床試験において,炭酸ランタンは炭酸カルシウムの約半分の用量で同等の血清リン濃度の低下効果を示すことが報告されている5)。チュアブル錠である炭酸ランタンは,水分の摂取制限が必要とされる透析患者において良好なコンプライアンスが期待できる薬剤であるが,十分な血清リン低下効果を得るためには,口内での噛み砕き方が重要となる。本試験では,炭酸ランタンの咀嚼の程度による血清リン濃度の低下効果の検討ならびに咀嚼回数別の腸管内炭酸ランタンの残像を検討したので報告する。
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/content/article/0289-8020/32050/661