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JPY
Abstract
組織傷害の主役であるCD8 T細胞は,抗原刺激を受けると活性化されてそのクローンが増大し,侵入抗原に対して細胞傷害活性を発揮して病原体などの抗原を殲滅する.しかしこれと同時に,一方で活性化CD8 T細胞はその強い活性化のゆえにアネルギーに陥る.アネルギーは,T細胞は生存しているが分裂せずIL-2 も産生しない状態と定義される.CD8 T細胞が陥るこのアネルギーは,AINR あるいはsplit anergy と呼ばれる.その理由は,抗原が殲滅されないで長く存在しかつCD4 T細胞から十分量のIL-2 などのヘルプが供給された場合には,このCD8 T細胞はAINRから回復し,再び強く増殖してエフェクター機能を獲得し,最終的に抗原が除去されるとメモリー細胞になるからである.これに対してCD4 T細胞の挙動は全く異なり,侵入抗原のシグナルを受けて強く増殖・活性化して所定の仕事をこなすと,その後アネルギーに陥ることなく大部分がアポトーシスすなわちAICD によって死滅する.このように,病原体が殲滅された後にCD4 T細胞が死滅するのは,CD8 T細胞がCD4 T細胞のヘルプがないとエフェクター機能を獲得・発揮できないことに鑑みると,自分の体からみれば侵入抗原に対する細胞傷害活性がいつまでも持続せず短期間で終息し,自身への余分な傷害が回避されるので安全弁となっている.しかしながら,もし何らかの理由でタイムリーに死すべきCD4 T細胞の一部が死なないでCD8 T細胞をヘルプし続けるならば,細胞傷害性CD8 T細胞は常に活性を保ったまま自身の組織を傷害することになる.他方,AICD を越えて生き残ったCD4 T細胞は自己抗体を産生し,このようにして膠原病が発症すると私たちは考えている.
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