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JPY
Abstract
インフルエンザは,典型的な人獣共通感染症である.「鳥インフルエンザ」,「ブタインフルエンザ」および「新型インフルエンザ」は,いずれもヒトの病名として適切ではない.すべて「インフルエンザ」である.インフルエンザは,インフルエンザウイルスの感染,増殖に対する宿主動物の反応である.インフルエンザウイルスの病原性とは,ウイルスに感染した宿主の反応の強さである.ウイルスが当該宿主体内で激しく増殖するか否かが病原性を決定する.かかる単純明快な感染症の本質を総合理解したうえで,これまで人類が経験してきたパンデミックインフルエンザおよび季節性インフルエンザの発生と流行の事実を踏まえ,対策を講じていたならば,昨今の無意味な混乱は避けられたであろう.日本だけで毎年数千人を死亡させ,少なくとも数百人に脳症,多臓器不全を起こしている季節性インフルエンザの克服こそが,パンデミックインフルエンザ対策の基盤である.特に,現行のインフルエンザワクチンは,反応(自然免疫応答を含む)を除くことに主眼が置かれ,免疫力価を犠牲にして開発されたものであり,これが40 年間改良されず今日に至っている.ワクチンの抜本的改善と生物学的製剤基準の改正は,必須にして喫緊の課題である.
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/content/article/0370-8241/66120/2623