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JPY
Abstract
近年,細胞培養技術やスキャフォールド(足場)としての生体吸収性材料の進歩のもとに,生体組織の再構築を目的とした組織工学(Tissue Engineering)は大きな注目を集めてきている.我々の教室は,組織工学分野のパイオニアであるチャールズ・バカンティ教授が1997 年にマウスの背中に人の耳を形どった軟骨細胞による再生を発表1)して以来,この分野を牽引してきた.また,2000年には組織工学的手法で,患者の失われた親指を再生した初めてのヒト臨床への応用も発表2)した.本稿では,組織工学を手法とした我々の教室の,これまでの研究をさらに発展させた気管の再生について述べる.気管がほかの組織と異なる最大の特徴は,常時外界と接していることである.それゆえ,生体適合性の高い代用気管を移植しても,移植直後から感染の危険に曝露される.自己細胞を用いることによって,生体本来の持つ再性能力を引き出せれば,自己組織が再構築され,感染防御機能を保持した生着可能なバイオ気管を作り出せる可能性が期待される.気管は主に気管軟骨,膜性壁,輪状靭帯,気管上皮から構成されるが,本稿では,管腔を維持するために最重要である,気管軟骨の組織工学の手法に基づいた再生について述べる.
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/content/article/0370-8241/69071/1454