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ACTH 非依存性クッシング症候群における分子異常
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JPY
Abstract
クッシング症候群は,副腎皮質からのコルチゾール過剰分泌により,高血圧や糖尿病などの全身症状を呈する内分泌疾患である.副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)非依存性クッシング症候群では副腎腺腫による自律的なコルチゾールの産生が見られるが,その分子病態は,まれな遺伝性の病型で報告されている胚細胞変異を除いてほとんど不明であった.近年,我々を含む複数の研究グループから,ACTH 非依存性クッシング症候群を生じる副腎腺腫の半数以上の症例において,プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットをコードするPRKACA 遺伝子の変異が生じていることが報告された.変異の大多数はLeu206 をコードするコドンに生じており,同変異によって触媒サブユニットと制御サブユニットとの結合が阻害され,cAMP 非依存性にPKA の活性化が生ずる.また,PKA の変異を認めない症例では,アデニル酸シクラーゼの活性化にかかわるGNAS タンパク質をコードする遺伝子の活性化型変異が高頻度に認められる.変異GNAS タンパク質による過剰なcAMP の産生を通じてPKA の非生理的な活性化が生ずる結果,コルチゾールの過剰産生が惹起されると考えられる.GNAS 遺伝子およびPRKACA 遺伝子の変異を併せ,ACTH 非依存性クッシング症候群の約7割内外の症例において,PKA の活性化を生ずる体細胞遺伝子変異による副腎腺腫の形成がその発症にかかわっていることが明らかとなった.
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