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Septal Reduction Therapy の展開―経皮的アルコール中隔心筋焼灼術の短期・長期効果―
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JPY
Abstract
閉塞性肥大型心筋症(hypertrophic obstructive cardiomyopathy:HOCM)は,明らかな心肥大を来す原因なく左室ないしは右室心筋の不均一な心肥大を来す疾患で,左室拡張能低下に加え左室内閉塞による圧較差の出現,相対的心筋虚血,僧帽弁逆流,致死性不整脈の出現といった多彩な臨床像を呈することが知られている.その主要臨床イベントは心不全,突然死,脳卒中であるが,左室内閉塞は心不全の原因ばかりでなく,突然死を引き起こす致死性不整脈の誘引になるため,いかに左室内圧較差を改善するかは重要な課題である.HOCM 患者が有する左室内閉塞に対する治療は,ビソプロロールなどのb 遮断薬,シベンゾリンやジソピラミドといったⅠa 群,ベラパミルを代表とするCa 拮抗薬による薬物治療が第1選択である.これらの薬剤は左室内圧較差を軽減するばかりでなく,拡張能障害の改善,心筋肥大退縮効果,抗不整脈作用などを有し,長期投与することでHOCM 患者の予後を改善することが示されている.しかし,薬物治療では十分に左室内圧較差を軽減できず,臨床症状が残存する症例は少なくない.十分な薬物治療でも左室内圧較差が30mmHg を超えると予後が不良であることが示されているため,薬剤抵抗性の重症例では中隔心筋縮小術(septal reduction therapy:SRT)が必要である.欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインにおいても,薬剤抵抗性で左室内圧較差が50mmHgを超える重症心不全患者(NYHAⅢ~Ⅳ)に対してクラス1(エビデンスレベルB)で推奨されている.本邦においても2014年にガイドラインが示され,薬物治療抵抗性の心不全症状,狭心症状,失神がある患者において,左室内圧較差が50mmHg 以上ある場合はクラス1として推奨されている.SRT として以前から,外科的治療である中隔心筋切開切除術(Morrow 手術)が欧米では第1選択として良好な成績が報告されているが,近年カテーテル治療によるSRT として経皮的アルコール中隔心筋焼灼術(percutaneous transluminal septal myocardial ablation:PTSMA またはalcohol septal ablation:ASA)の良好な初期成績と遠隔期成績が報告されている.本稿では当院での経験も踏まえ,PTSMA の急性期および慢性期の治療成績に関して言及する.
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