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JPY
Abstract
近年抗癌剤治療法の向上により癌治療は急速な進歩を遂げてきた。しかし癌の薬剤応答性の低下すなわち薬剤耐性の問題は完全治癒を困難にする臨床上最大の問題である。薬剤耐性を示す重要な因子の一つであるABC トランスポーターは細胞膜に発現し構造や作用機序の異なった様々な抗癌剤を細胞外へ排出することによって癌細胞内薬剤濃度の低下を生じる。これまでにABCB 1/P 糖蛋白質(MDR 1)をはじめMRP ファミリーなど数十種のABC トランスポーターが薬剤耐性に関与する遺伝子として同定されてきた。近年同定されたABCG 2/breast cancer resistance protein(BCRP)もまたヒトDNA トポイソメラーゼ㈵ ㈼阻害型抗癌剤の耐性に強く関与することが報告されその分子機構や耐性克服の研究が盛んに行われている。またこれらのトランスポーターは正常組織においても発現し薬剤耐性のみならず生体外異物や生体内物質の輸送を担い薬物のバイオアベイラベリティを規定する重要因子となる。さらにABC トランスポーターの基質特異性また近年重要視される薬物体内動態の個人差を規定する要因に関連すると考えられる遺伝子多型による影響を解明し輸送担体の特異的阻害剤あるいは耐性克服剤を開発することは薬物のバイオアベイラベリティの向上や治療成績の向上に大いに寄与するものであると考えられる。
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