No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
末期癌患者における消化管閉塞に伴う消化器症状に対するOctreotide Acetateの臨床試験
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
末期癌患者が合併する消化管閉塞は悪心嘔吐などの消化器症状を伴い患者のQOL を著しく低下させる。しかし全身状態が不良であることから手術不能である場合が多く既存の制吐剤では効果が不十分である症例が少なくない。従来から行われている薬物療法では十分な症状緩和効果が得られない症例に対してoctreotide acetate(SMS 201-995)が有用であるとの臨床報告が数多くなされている。今回消化管閉塞を伴う末期癌患者13例(胃管挿入例:8例非胃管挿入例:5例)を対象に本剤300μg/日を24時間持続皮下注にて多施設共同臨床試験を実施した。有効性においてはJapan Clinical Oncology Group(JCOG)の副作用判定基準における悪心嘔吐のgrade低下が認められた場合に「有効」と判定し解析対象とした10例(胃管挿入例:6例非胃管挿入例:4例)中6例(60.0%)に有効例を認めた。胃管挿入例6例における投与開始前と最終観察時の消化液排出量は中央値で890ml(550〜1,950)から480ml(180〜1,790)へと減少傾向を示した。これら胃管挿入例6例中消化液排出量の減少が著明であった4例(66.7%)においては胃管の抜去が可能となり抜去後の嘔吐回数も数日間にわたって(1〜8日間)grade0にコントロールされた。同様に嘔吐回数の推移を非胃管挿入例4例の投与開始前と最終観察時で比較した結果中央値で4.5回(3〜9)から3.0回(1〜13)へと減少傾向を示した。安全性においては解析対象例13例中2例(15.4%)の症例において本剤との関連が疑われる肝酵素の上昇が認められたものの臨床上特に問題となる有害事象の発現は認められなかった。以上よりoctreotide acetateはすでに胃管を挿入している末期癌の消化管閉塞症例に対して胃管抜去を可能にし抜去後も悪心嘔吐に対して有用な薬剤であると考えられた。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/31090/1377